さくらんぼのジェダイ 〜崩壊聖堂編〜  柊みそか

「オビ=ワン、目を開けてもいいぞ?」
「イエス、ますたっ!」

 クワイ=ガンの声に、オビ=ワンが閉じていた目をパッチリと開けば。
 見渡す限りの木々の緑と、その木々の枝にたわわに実る小さな赤い果実。

「……わぁー!」

 木の幹にそって視線を上げ、グルリと辺りを見回したオビ=ワンは顔を輝かせる
と、笑顔を浮かべている師に言った。

「さくらんぼですっ」
「ああ、さくらんぼだぞ」

 両手を握り締めて興奮しながら見上げてくる弟子の姿に、千切れそうな理性を総動
員させて師らしい笑顔で頷く。
 オビ=ワンは目をキラキラと光らせると、ウットリとしながら更に師に言った。

「ますたっ!すごいですねっ、さくらんぼが空からお星さまみたいに降ってくるみた
いですっ!」

 こ、この子はなんと可愛らしい事を…!!!

 クワイ=ガンはキュンキュンした。
 瞬間的にガツッと腰に来たが、必死で堪える。
 もし許されるのならば、地べたに這いつくばって鼻血垂らして悶絶したい。
 オビ=ワ〜ンといいながら、ゴロゴロと転がりまわりたい。
 勿論、そんな醜態は、このクワイ=ガンが許さないが!

 あまりの興奮に喀血しそうな衝動をやり過ごすと、クワイ=ガンは手近な枝の房か
らルビー色に熟した一粒をもぎり、ポカンと開いたままの弟子の口へと放り込む。
 突然の出来事に目を真ん丸にして驚いたオビ=ワンは、口に広がる爽やかな甘味に
直に笑顔を浮かべた。

「美味いか?」
「イエス!イエス、ますたっ…!」

 クワイ=ガンは頷くと、幼子を抱き上げ、己の肩に座らせた。

「ま、ますたっ?」

 師に掴まりながらも首を傾げるオビ=ワンの姿の愛らしさに咽喉の奥で笑うと、ク
ワイ=ガンは片目を瞑って見せる。

「こっちのほうが、さくらんぼに近いだろう?コルサントには別口で土産を持って帰
るから、心行くまで食べるといい」

 クワイ=ガンの言葉に、オビ=ワンは太陽よりも眩しい笑顔で頷いた。

「イエス!イエス、ますたっ!」



 ふわっふわっのケーキかシュークリームのようなキッズオビが大活躍の「Blue Print」柊みそか様の崩壊聖堂シリーズ、大大大好きです〜。
おねだりして書いていただいた、さくらんぼ狩りのワンシーン、愛らしいですねぇ。らぶりぃですねぇ。食べたいちゃいですねぇ。柊様、本当にありがとうござましたvv

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