Bewitched 1 | − 奥様は元ジェダイ − |
元ジェダイだった二人は、師弟として出会い、いつの間にか恋人になりましたがダーリンがフォースに還ってしまいました。何もかも普通じゃなかった二人がただひとつ人並みだったのは――結婚してささやかな新居を構えたことでした。 【 エピローグ 】 『ただいま……』 迎えてくれる者は誰もいないことはわかっているが、旅から戻って住まいにたどり着いたときオビ=ワンはつい口の中で呟いてしまった。 ジェダイとして銀河中を飛び回っていたとき、オビ=ワンにとってホームはコルサントのジェダイテンプルだった。大戦が始まってから各地を転戦してめったに帰れなくても、ホームと思える場所はテンプルしかなかった。そのテンプルが攻められ、家族ともいえるジェダイのほとんどが失われてから、オビ=ワンは永遠にホームと家族を失った。 その悲しみは心に深くきざみ込まれ、生涯消えることはないだろうと思っていた。だが、惑星タトゥイーンの荒野の最初は仮住まいと思ったこの粗末な家に久方ぶりに戻って、安堵とともに懐かしさも感じるのはなぜだろう。 オビ=ワンは脱いだローブを掛け、ゆっくりと小さな家の中を出かける前と変わったことがないか点検して廻った。 戸締まりしてあったので浸入者の痕はなかった。だが、吹き荒れた砂嵐の砂がすき間からあちこち入り込んで溜まっていた。裏にまわると、昼夜の寒暖の差が大きい砂漠の気候を利用して水滴を集める簡単な装置に案外水が溜まっていた。留守の間使わなかった分水がある。これはささやかだが、常に水を意識して大事にする暮らしでは嬉しいことだった。まずお茶を飲もう。オビ=ワンは笑顔を浮かべた。 住めば都とまではいかないが、慣れればなんとかなるし、工夫してちょっとでも便利になったり居心地が良くなったりするのに小さな喜びを感じていた。思えばこれまでテンプルや任務先でも、住まいを自分で整える事などなかった。自分でせざるを得なくなって初めて愛着というか、自分の家、ホームという気持ちが生まれたのかもしれない。 オビ=ワンは味わって茶をすすりながら、ほろにがく微笑んだ。全てを失った後でしらずに得るものも有るのだ。フェラスもそうかも知れない。ジェダイになる道を絶たれた後で初めてたくましく行きぬく術や、かけがえのない友人や仲間を手にした――。 ここまで思いをはせ、オビ=ワンはふと顔をあげて、室内や窓の外を見わたした。気配がかんじられないので居ないとわかるが、それでも青く輝く姿を捜さずにはいられない。 この狭い質素な建物が自分の家でホームと思えるようになった大きな訳は、惑星ナブーで肉体を失ってフォースに還った師のクワイ=ガンと再びコンタクトを持てるようになったからだった。 この荒野に落ち着いて間もなく、クワイ=ガンのフォースを感じられるようになり、フォースで会話が通じるようになり、次第にホログラフィックに似た青く透ける姿が見えるようになった。オビ=ワンは又クワイ=ガンの弟子に戻って新たにフォースと一体になるトレーニングを始めた。 そんな中、オビ=ワンは出かけたモス・アイズリーで生き残りのジェダイがいると耳にした。帝国への抵抗を続けて追われていたのは、訳あってナイトになる前にジェダイテンプルを去ったフェラス・オリンだった。フェラスはシーリーの弟子だったのでオビ=ワンもよく知っており、テンプルを去ったことは残念に思っていた。 隠棲してパドメの忘れ形見の双子の一人、ルークの成長をじっと見守る生活を送っていたオビ=ワンは迷った。その時、タトゥイーンを留守にする事を躊躇うオビ=ワンの背を押してくれたのはクワイ=ガンだった。 危険を冒して旅立ったオビ=ワンは惑星ベラッセでフェラスを救い、その組織の道筋をつけてから今後の活動は今やジェダイに戻った若いフェラスやその仲間に託し、自身はタトゥイーンに帰ってきた。 砂嵐にまぎれて宇宙船からモス・アイズリーに下りた時、確かにクワイ=ガンのフォース体はオビ=ワンの近くにいたのだ。姿が見えなくともフォースでわかった。だが、その後かき消すように感じられなくなり、ここに来るまでの間も、帰り着いてからも居ない。 ほんの微かな期待を込めて家の戸をあけ、中を点検してまわったときも、もしや先回りしたクワイ=ガンが、―もっともフォース体は距離の観念などないから、瞬時に空間に現れるが―、迎えてくれるかもしれないとオビ=ワンが期待してもおかしくはないだろう。 だが、結局その晩は寝るまでクワイ=ガンのフォース体は現れなかった。オビ=ワンは特にがっかりするでもなく疲れた身体を休めて手深く眠った。 翌日、オビ=ワンは叔父夫婦に育てられているルークの様子をそっと見に行って無事を確かめ、日常の生活にもどった。留守の間に吹き込んで溜まっていた砂を掻き出したり、暮らしを維持する為に細々とはじめた修理の工具を調整したりした。鉄屑屋を生業とする原住民のジャワがときどきガラクタを持ち込んでオビ=ワンに修理を頼むようになっていた。 単調な生活ながら、オビ=ワンはその他に瞑想と基本のフィジカルトレーニングをかかさなかった。それはフォース体となって戻ってきた元師のクワイ=ガンとの新たなトレーニングの準備の為だった。が、オビ=ワンが帰って以来、クワイ=ガンは姿を表わさないどころか、気配が感じられなかった。 淡々と作業や日課をこなしながら、オビ=ワンは自答していた。クワイ=ガンはフォース体なので、今更何かあったと心配する必要はない。感じられないのは近くにいないのだ。遠い惑星ダコバまで隠遁しているヨーダを訪ねているのだろうか。それにしても、自分が帰ってきた時はこの地にいたのだから、離れるなら一言伝えてくれてもよさそうなものなのに。 オビ=ワンの手が止まり、微かに眉が寄った。生前、弟子の頃行動をともにした元師は、そういうことをほとんど気に掛けなかったことを思い出した。 己の信念の為には評議会に異を唱えることもあり、リビングフォースのままに独断専行することが多いジェダイと噂されていた。クワイ=ガンは口数が少なく、弟子にも、言葉に頼らずフォースを研ぎ澄ませて次の行動を起こすよう指導した。クワイ=ガンの人となりがわかるとそうでもないのだが、弟子になった当座はオビ=ワンもずいぶん戸惑った。 あの人は、と、顔を上げたオビ=ワンは地平線に沈みかけた二つの太陽の残照に目を細めて呟いた。クワイ=ガンはフォース対となっても元の性格が変わらないのだから、必要なければ、いちいち連絡などしないのは当然だろう。 ************** 弟子になりたての頃、任務先で調停がこじれ、師弟は終われる身になったことがある。 クワイ=ガンは無事に脱出する為、別行動することを弟子に告げた。合流の目的地を示し、5日してもクワイ=ガンが戻らなければテンプルに連絡するよう言って姿を消した。 オビ=ワンは師が戻って再度調停を試みるのではないかと察した。だが危険は大きく、クワイ=ガン一人ならともかく、経験の少ないオビ=ワンが一緒では足手まといなのではと考えた。弟子を指導することも大切だが、弟子を必要以上の危険にさらさないよう守るのもジェダイマスターの役目だった。 オビ=ワンは自分が未熟なのは充分自覚していたので、クワイ=ガンの言うとおり素直に目的地を目指した。早く師の助けとなれる力をつけたいと心に誓って。 オビ=ワンは3日かってそこに辿りついた。高い山の麓で、うっそうとした木々が繁っていた。危険がないかよく確かめて少年は大きな木に登った。木々が姿を隠してくれるし、見通しもいい。ようやく一息付いてこれまでを振り返るとけっこう頑張ったと思う。街中は厳重な警備が敷かれ検問も多かったので、オビ=ワンは小さな身体を生かして下水道を通ったり、普通の人が寄り付かないスラムを抜けて街の外に出た。 ひやりとする事は何度かあったが、これまで師がとった行動を思い出し、フォースを集めて切り抜けた。危険が去ってホッとすると、クワイ=ガンが黙って肯いてくれるような気がした。少しすると、自分が無事たどりついた今、今度はクワイ=ガンのことが心配になってきた。これまでは自分のことだけ精一杯で師を案じる間もなかったが、オビ=ワンは呼吸を整え、瞑想を試みた。 まだ未熟なのですぐにフォースを呼び起こすのは難しかった。オビ=ワンは13歳の誕生にクワイ=ガンから唯一もらった小さな小石を握り、集中を高めてフォースを呼び覚まそうとした。師弟間のトレーニングボンドは絆が強ければ何かあればすぐに察しられるというが、オビ=ワンはまだうまくいかないことが多い。何度か試みて、少なくても危険や恐れは感じられなかった。とにかくマスターは無事だろうと思った。 日が沈み、あたりは次第に暗くなってきた。オビ=ワンは寝る場所をさがそうと注意深く木を降り始めた。枝をつかんで足場を捜す、とその時だった。 「良い場所をみつけたな、パダワン」 「マッ、マスタッー!!」 なんと、オビ=ワンの少し下の枝にクワイ=ガンはいた。 「だが、私にはきゅうくつかもしれんな」 弟子はあわてたはずみで足をすべらしそうになった。 「わっ!わあぁっ!」 「おっと」 ずり落ちそうになった弟子の胴体をとっさにクワイ=ガンは片手でささえた。 「すみません……」 息を弾ませる弟子をしっかり太い枝に立たせ、クワイ=ガンはそれから並んでその枝に腰掛け、弟子もすわらせた。 「すまんな、驚かせたようだ」 「いえ僕こそ。けどマスターいつの間に」 「少し前だ。フォースを感じたのでお前がいるのはすぐわかった。どうやら瞑想中のようなので声をかけずに下で待った」 それを聞いた弟子の少年は青緑色の瞳を見開き、そうして少しうなだれた。 「マスターが近くにいらしたのに、気付きませんでした。――頑張って瞑想したのに」 「ふむ、まあ気にすることはない。気配を消したからな」 「え?あっ、わざと?!」 「前よりフォースはだいぶ強くなった、パダワン」 オビ=ワンは喜んでいいのか怒ればいいかわからず、困った顔で師を見あげる。 すると、眉尻を下げ、クワイ=ガンが口の端を緩めてあげてうらめしそうな弟子の顔をのぞき込んだ。 「怪我はないか?」 「――はい、あのマスターは?」 「見ての通りだ。服はだいぶ汚れたが、お前といい勝負だな」 「……すみません、臭いますか」 「いや、とにかく無事あえて良かった。任務は終わったぞ、パダワン」 クワイ=ガンはオビ=ワンが思ったとおり、再び単独で政府首脳との会見を試み、ようやく調停の道筋を付けていた。 その夜、師弟は木の下でキャンプした。 今傍にいてはっきりと圧倒的な存在を感じる師にオビ=ワンは言った。 「離れていても、マスターが本当にあぶない、とは感じませんでした」 「ああ、私もお前ならきっと無事に付けると思っていたし、危険は感じなかった。私達は師弟だからな」 あの時、オビ=ワンは自分達の絆をはっきりと自覚できた。 遠く離れていても、何かあればわかるのだから、決して心配には及ばない、というのは10年以上の師弟生活で学んだことだった。 *********** とうに日は沈み、灯りの無い荒野は闇に沈んでいた。 『……』 「こんばんは、マスター」 オビ=ワンは自分の他は闇にしか見えない窓の外に声を掛けた。 そこには生前と同じ姿のクワイ=ガンが青く透けて浮かんでいた。 『何をしていた?』 「瞑想を。それよりお帰りと言ってくれないんですか?」 『――ああ』 「あなたに勧められて出かけてきたんですけどね」 『お帰り、オビ=ワン』 「只今マスター。見ての通り無事帰りました。留守中はおかげで何事もなかったようです」 『そうだな、ところでそろそろ休む頃か』 「普段は。けど用がおありなら構いませんよ、どうぞ」 『……』 「何です?あなたらしくありませんね」 『――どういうことだ?』 「ためらうのは、以前のマスターなら拾い物とか困ったことをしでかした時」 『今の私がするわけないだろう』 「そうですね、だから何でしょう、仰ってくださらないとわかりません」 『寝てくれないか、あ、つまり、お前がいつものように一人でベッドで眠ることだ』 「――つまり、身体からぬけだせと」 クワイ=ガンが肯く。 タトウィーンで再会してからオビ=ワンは再びクワイ=ガンについて修行をはじめ、肉体からフォース体だけ抜け出すことが出来る様になっていた。そのおかげで、ヨーダ同様遠くはなれた空間移動が可能だった 「何故?」 『そのほうが、話しやすい」 「話すだけなら今でも同じでしょう。どこか行くつもりですか?」 『いや、私はお前ともっと近くで話したいと思う』 「それなら私が帰ってから今までどうしていたんです?」 『ちと行くところがあった」 「クワイ=ガン、マスター?私が気付いていないとでも思ってるんですか?」 『うん――?』 オビ=ワンの薄青の瞳がクワイ=ガンを見上げる。 「タトウィーンに戻ってきたときあなたは近くにいたはずです。私が帰ったのがわかってから何処かへ行かれたのでしょう?まず訳を話していただきたいですね」 クワイ=ガンは軽く眉を寄せ、片手で顎をさすっている。それは生前と同じく思案するときのクワイ=ガンの癖だった。 弟子の頃だったらオビ=ワンはこんなふうに師を問い詰めるようなまねは決してしなかったろうが、師の死後ジェダイマスターとして幾多の経験を積んできたオビ=ワンは、一方的にクワイ=ガンに従うことはしない。 『お前がそう言うなら、よかろう正直に言おう。すぐにここへ来なかったのはフェラス達の行き先に付いて行って当面差し迫った危険がないことを確かめてきた』 「宇宙船に乗ってですか、そんなことが!?」 『フォースを持つ者についていることは可能だ。あれはまだ私の気配を感ずることは出来んがな』 「とにかく彼らの無事がわかって安心しました。気軽に連絡できないので知らせていただいて感謝します」 『心配の芽は早めに摘むに限る。これ以上邪魔されたくない』 「邪魔?」 『単刀直入に言おう。つまり一緒に暮らさないか?普通の夫婦みたいに』 「は?」 こんどはオビ=ワンの眉間にくっきりと縦じまが刻まれた。 「そんな顔をするほどでもなかろう」 オビ=ワンの反応を見てクワイ=ガンが苦笑する。 「言ってる意味が」 『何も難しいことじゃない。私達は元恋人だったし今も互いに一人身だ。何の支障もない』 「クワイ=ガン正気ですか?いえ、失礼、つまり今だって一緒に暮らしてるようなものでしょう。只、あなたはフォース体ですよ」 青く輝くクワイ=ガンはテーブルを挟んだ椅子に背筋をのばして腰掛け、長い脚をくみ、手をテーブルにのせた。これは、生前腰をすえて交渉するときのポーズだった。オビ=ワンもいぶかしげな表情のまま、椅子に掛ける。交渉事に優れたジェダイとして長年任務にあたってきたが相手がクワイ=ガンでは気が抜けない。 さっそくクワイ=ガンは確信を突いてくる。 『問題はそこだ。このままでは一緒にいてもず〜っとこのままだ。そこで提案がある』 「提案?」 『お前はルークを見守る役目があるし、肉体を維持するための生活もある』 「ええ、一時的にフォース体になれるとしても、普段はここで普通に生活しなくちゃなりません」 『日中は今まで通りにして、夜は私とフォース界で生活しよう。つまり、朝仕事にでかけて夜帰ってくるみたいなもんだな』 「急にそういわれましても……」 『充分可能だろう。夜、外に出ることはないし。普段から夜明けと共に起きて日が暮れると家にこもって瞑想して眠る暮しだ』」 「ですがフォース界であなたと生活っていったいどういう――」 『いたって普通だ。別に二人で霞の中を漂うわけじゃない。こう言ってもイメージがわかないだろうな』 「――あなたに普通と言われましてもね」 『こういう事は実際試すに限る。さっき言ったように寝てくれないか』 「そういうことですか」 オビ=ワンは小さく息を漏らした。 「いいでしょう、夜だし」 オビ=ワンは立ち上がって壁際に設けたベッドに向った。 ベッドに横たわった肉体からオビ=ワンのフォース体は抜け出して脇に立った。わかりやすく言えばいわゆる幽体離脱に似た現象だ。 フォース体のオビ=ワンはローブとチュニック姿で薄青く透けている。が、クワイ=ガンと同じく人間の目には見えない。 「それで?」 「住む場所はこれでいいだろう。お前がのぞむなら好きな造りでいいが」 「これでって――」 オビ=ワンは辺りを見回した。今住んでいる小さな建物と何も変わらないように思える。 「ただしプライベートルームは別にいるな」 クワイ=ガンが向きを変えて裏口に通じる小さなドアを開ける。とその先にはあるはずのない部屋が続いていた。 白っぽい壁の部屋の中央に柔らかなリネンカバーでおおわれた大きなキングサイズのベッド、脇にサイドテーブル、小さな書棚。それに小ぶりなテーブルと椅子が2脚。窓には涼しげな白い紗のカーテン。 「いったい……」 「クローゼットがいるなら付けるが」 「いりません」 オビ=ワンはだんだんわかってきた。 「つまり、フォースで現実の建物を好きなように改装するんですか」 「そういうことだ。のぞめば宮殿だろうが、豪邸だろうが、テンプルのユニット仕様も思いのままだ」 オビ=ワンは頭を振った。 「これでけっこうです。そうですね二人なら寝室はいるし、リビングも少しは広いほうがいいです。できればキッチンをもっと使い易く――」 「料理をしたいのか?」 「実際に食べることはできなくても、気分転換になりますからね。それに料理も家事もしない普通の暮しなんて考えられません」 「――私の元弟子は」 「どうせ貧乏性だと言いたいのでしょう」 「いや、お前は身体を使うのが好きだったし、何かあると気分転換に猛烈に掃除や料理をしていたな」 クワイ=ガンが優しいまなざしでオビ=ワンの髪をくしゃりとなでた。 「どうも昔から変わらないみたいですね、成長がないというか」 「キッチンはお前好みにして後はおいおい――ということでいいかな」 「そうですねぇ……」 「では互いに合意だな、オビ=ワン」 クワイ=ガンがにやりと笑う。 「は?あ、ええっ!?ってクワイ=ガンッ!」 「さっそく今から改装した新居で二人暮しだ」 「そんな急に言われても」 「何も用意はいらないだろう」 「あ、あの戸締まりがまだです」 「フォースシールドを張ればいい」 「でも」 「オビ=ワン、私達は今までずいぶん待ったはずだ。もういいだろう」 「クワイ=ガン……」 クワイ=ガンの視線がオビ=ワンの瞳を捕らえ、静かに手を差し出した。 「おいで」 揺れていたオビ=ワンの眼差しが定まり、湖水色の大きな瞳がなごんでくる。ついでゆっくり口許がほころびはじめ、クワイ=ガンを見あげた時、オビ=ワンの瞳はどんな宝石にも劣らない光を帯びて輝いた。 「イエス、マスター」 手を預けてきたオビ=ワンの言葉にクワイ=ガンの片眉が微かにあがる。 見るとオビ=ワンの瞳もそれを予期していたように悪戯っぽい光を宿している。クワイ=ガンも目で肯いた。遠い昔、辺境の惑星で初めて二人が子弟の絆を結んだ時を。すべてはそこから始まり、長い別離を経て、再び新しい生活が始まる。 二人は手を取り合い、フォースが造り上げた新たな生活に旅立っていった。 End マスターはオビが砂漠に来たときから計画していたんですね(笑) |
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