― 保育士 ―
  
 角を曲がると、目的地の建物が見えた。オビ=ワンは立ち止まり、白ワイシャツのタイを締め直し、時計を見る。
 7時20分、初日だから早めに出てきたが、さすがに早すぎたか。まだ門は開いてないはずと近づくと、中から足早に男が出てきた。ぶつかりそうになったオビ=ワンが思わず避けると、相手も驚いて立ち止まり、すまない、と笑顔で返し、そのまま、再び急ぎ足で駐車場の方向へ歩み去って行った。

 年の頃は30前後か、ぴしっとスーツを着こなした、いかにも有能そうなビジネスマンといった風だ。思いがけない取り合わせに首を傾げたオビ=ワンが気を取り直して、既にあいていた半開きの門扉から中へ足を踏み入れると、赤ん坊の泣き声が耳に飛び込んできた。

 泣き声は建物の中から聞こえてくる。オビ=ワンは芝生に花壇や砂場やいくつかの遊具が置かれた庭を通ってエントランスの前に立ち、声をかけた。エントランスの扉の上には「ジェダイ保育園」と刻まれたプレートが掲げてある。
「ごめんください。おはようございまーす」

――返事はない。さっきより小さくなったが、赤ん坊の泣き声は続いている。オビ=ワンは扉の横のブザーに気付いて押した。
「は〜い、おはよう」
ぐずっている赤ん坊を抱っこしてあやしながら、男が足音もさせずに目の前に現れた。思わず見上げるほど背が高い。口回りと顎に蓄えた短い髭、亜麻色の長髪。そして濃い青い瞳。

「あー君は――、大学の実習生?それとも職業体験の高校生?」
「ぼ、僕はこうみえても25ですっ!本部から研修にきたオビ=ワン・ケノービですっ!」
叫んだオビ=ワンは、紺色のスーツ・白ワイシャツ・ブルーのネクタイ・黒の革靴、確かに装いは新入社員。けれど、短い金褐色の髪、秀でた額の下の青緑色の大きな瞳と若々しい頬から続く顎のラインは、一見すると、自己申告よりかなり若々しい。
「それはすまない。今ちょっと忙しいんだが、ま、入ってくれ」
いくら童顔だからって、とあきらかにムッとしたオビ=ワンを可笑しそうに見て、その男は言った。

「私はクワイ=ガンだ」
「え、じゃあ、あなたが――!?」
「センセー、おはようございま〜すっ!」
オビ=ワンの声は、母親と手を繋いだ男の子の挨拶に遮られた。
「や、おはよう。ギル、今日も元気だね」
母親はいかにもキャリアウーマンといった装いで、先ほどの男性のようにきびきびしていた。
「おはようございます、園長先生。よろしくお願いします」
「はい、いってらっしゃい」
ギルは母親にバイバイすると、傍らに突っ立っているオビ=ワンをちらと見上げた。
「おじさん、誰のパパ?」
「ぼっ、僕はちがう――」
「新しい先生、あとで紹介する。ギル、かばん置いてきて」
「は〜い」
「ああ、オビ=ワンこっちだ」

 くるりと振り向いて歩き出したクワイ=ガンを見て、オビ=ワンは又、目を丸くした。
腕に抱いているより大きい赤ん坊が広い背におぶわれ、嬉しそうにクワイ=ガンの長い髪の先を掴んで引っ張っていた。

 付いていった所は、明るい広いホール。年格好の違う数人の子供たちが、よちよち歩きの子は柔らかい大きなプロックを運んだり、やや大きな子供は滑り台に昇ったり、子供用乗り物を運転したりして遊んでいる。
 
「すまんな。今ちょっと手が足りなくて、早朝に来る子供達を見てる」
「あの、ジン園長、ですね?」
「正しくは園長代理だ。正式の園長はヨーダになる」
「そうでした。連絡を受けておられるはずですが、僕は本部事務局に採用されましたが、新人研修で各部署まわってる最中です」
「ご苦労だな。今まで何処にいった?」
「大学部と高等部が各1週間、中学部と小学部は各2週間です」
「幼稚園は?」
「行きませんでした。次は幼児と言われたのでってきり幼稚園と思ったんですが――」

 インターナショナルな英才教育で有名なジェダイ学園は、付属幼稚園から大学院まですべて設けられている。当然、幼稚園に入るにもお受験をパスした優秀なお子様ばかりが集う。
けれど、広大な学園の一隅にこんな保育園まであることをオビ=ワンは知らなかった。

「ここは、理事長のヨーダの意向でやってる内輪の託児所みたいなもんだ。0歳から3歳児まで預かる。その後は、たいてい幼稚園に行くな」
「そうなんですか。あ、僕は教員資格はありますが保育士資格はありません。他所でも事務中心に研修させていただきました」
「大丈夫、私も通信教育で勉強したんだから」
「は?」
「けど、その格好はまずいか」 
何が、と聞こうとしたオビ=ワンはグッとネクタイを下に引っ張られ、喉が詰まりそうになった。口をぱくぱくさせて下を見ると、いつの間にかはいはいしていた女の子が、背伸びして伸ばした手でネクタイにぶら下がっている。

「シャーリー、ほら、こっちにおいで」
クワイ=ガンは両手で抱っこしていた赤ん坊を片手に抱き替え、空いた手を女の子に差し出した。シャーリーはすぐ掴んでいたネクタイを離し、大きな手に縋りつく。と、クワイ=ガンゆっくりとその手を上げ始めた。
「ほ〜ら、ぶらんぶらん」
シャーリーはキャッキャッと声をたててぶら下がり、身体を揺らし始めた。

 オビ=ワンは解放されたネクタイを緩め、喉を抑えて息を吐く。
「今日はネクタイ外して上着も脱いでエプロンすればいいから。明日からは汚れてもいいポロシャツかTシャツ。エプロンは貸すから。詳しいことは――」
「すみませーん、遅くなりました、ジン先生!」
「おはようルーシー。地下鉄事故だって?」
ショートの赤毛の女性が急いでやってきた。
「切替ポイントが故障ですって。遅れただけで被害はなかったみたいです」
「それは良かった。ああ、こちらは本部からきたオビ=ワン。主任のルーシー」
「よろしく、優秀な新人だから宜しくと理事長から直に承ってます」
「いえ、あのこちらこそ、宜しくお願いします」
「オビ=ワン、事務室へどうぞ。ジン先生も一緒に」
「いや、もう少し子供達を見てよう。君がオビ=ワンを案内してやってくれ」
「それではお願いします」
ルーシーはクワイ=ガンに微笑むと向きを変えてすたすたと歩き出す。
「あの……」
オビ=ワンは一瞬ためらったが、クワイ=ガンが目で促したのでルーシーの後を追った。
片手でクワイ=ガンの手にぶらさがったシャーリーが小さな手でバイバイした。クワイ=ガンは後ろと前と片腕と、3人の子供を抱えてにこにこ笑っている。


 外に面した見通しの良い事務室で、オビ=ワンはてきぱきとルーシーから説明を受けた。
「今は早朝番の保育士だけなので、揃ったら皆に紹介します。それが組織図、園児のクラス割一覧、一日の日程表。男性は園長とあなただけなので、着替えとロッカーは園長室を使ってください。隣りにトイレもあります。エプロンはこれがいいかしら」
可愛らしいうさぎのアップリケがついた青いエプロンを渡され、オビ=ワンは慌てていった。


「ありがとうございます。ところで、僕は子供の世話した事ないんですが、いいんでしょうか?」
「ええ、私もクワイ=ガンにそう言ったんだけど――」
「ヨーダ、いえ、理事長は何もおっしゃらなかったですか?僕は他の学校では事務を研修したんです」
「ヨーダはクワイ=ガンに任せるとだけ言われたの。で、クワイ=ガンは普通の新人保育士と同じにすると言ったのよ」
「自分も通信教育で勉強したから大丈夫とか言ってましたが」
「そう、理事長に園長代理を任されてから勉強したらしいの」
「それって、いつの話ですか?」
「私がきて5年だから、その前ね」
「あの人、その前は何してたんですか?あ、詮索するわけじゃないけど、あんまり意外だから」
「無理ないわね、あの風貌じゃ」
ルーシーはちょっと肩をすくめた。
「クワイ=ガンはヨーダの教え子なんですって。ずっと外国にいて、帰国したのをヨーダがここの園長代理にしたそうよ」
「そうなんですか……」
「あなたもヨーダの教え子なんでしょう、オビ=ワン」
「はい、僕は大学に入ってからです」
「クワイ=ガンはあなたの兄弟子というわけね」
「――そうですね。だいぶ上ですけど」


 やがて、他の保育士も次々出勤してきた。それと共に子供達も続々と親に連れられて通園してくる。
エプロンを着たオビ=ワンはルーシーに連れられ、園内を案内してもらっていた。と、急にざわざわと外が騒々しくなった。異変を察したルーシーがいち早く外へ向かい、オビ=ワンもそれを追った。

 庭の花壇の前を子供達が取り囲んでいる。ルーシーが寄っていくと、さっと子供達が前を開けた。
「ママ、ママ」」
小さな男の子が涙声ですがり付いている。オビ=ワンもかがんだルーシーの後ろから身を乗り出した。見ると蒼白な顔色の女性がぐったりと、低いベンチに倒れこんでいた。唇にも血の気がない。ルーシーはさっと様子を見、脈を取る。
「大丈夫、ジェム。ママ貧血みたい。ちょっと気分が悪くなったの」
「ヒンケツ?」
「重い病気じゃないから大丈夫」
「ほんと?」
「ええ、少し中で休んでもらいましょう。オビ=ワン一緒に運んで――、いえ、ジン先生を呼んできて」

 駆けつけたクワイ=ガンは、もう子供を後ろにも前にも背負っていなかった。オビ=ワンと同じデザインでくまのアップリケが付いた紺色のエプロン―サイズは違うが―を着て、地面に膝をつき、長い腕を伸ばして慎重に女性を抱き上げようとした。
「あ……」
「大丈夫、気分が良くなるまで休んでいきなさい」
クワイ=ガンが安心させる様に低い声で囁く。温かな海色の瞳に見つめられた女性の白い頬に心持ち色が戻る。
「すみませ――あ、子供が車の中にいるんです」
心配そうに母親を見ていたジェムが飛び上がった。
「うちの赤ちゃん!」

 走りだした子供の後をオビ=ワンが追った。停めてあった車の中を覗くと、シートに固定した大きな籠の中で小さな赤ん坊が幸いすやすやと眠っていた。すぐにルーシーが車のキーを持ってやってきたので、オビ=ワンは言われるままはずした籠ごと赤ん坊をかかえ、これまで経験したことないほど細心の注意を払って運んだ。

 園長室のソファに女性は横たわっていた。赤ん坊を連れて行くと感謝を込めた笑みをたたえ、小さな赤ん坊を優しく胸に抱き寄せた。若い母親の何ともいえない仕草にオビ=ワンが思わず見とれていると、クワイ=ガンが肩に手を置いた。
「ご苦労、オビ=ワン」
「さあ、お母さんと赤ちゃんを静かにしてあげてね」
促され、オビ=ワンは部屋を出ようとして少し振り返る。
「オビ=ワン、おっぱいの時間なのよ」
ルーシーに囁かれ、意味を理解したオビ=ワンの頬がちょっと赤らんだ。

「ジェムのお母さん、カリー・ブライスさんだけど、育児疲れと寝不足で貧血のようね」
「いつもはご主人がジェムを送り迎えしてるが、出張だって?」
「一人で急がしかったんでしょうね。家事は後回しにしても、まずは自分がきちんと身体を休めて、栄養を摂らないと」
「生後3ヶ月では仕方ないな」
「仕方ないって?」
「オビ=ワン、知らないのも無理ないけど、生れて間もなくの赤ちゃんは数時間おきに夜中も授乳しなきゃならないの」
「そうなんですか?」
「そう、育児はね。心身ともにすっごい重労働なの。ここで預かるのは生後6ヶ月以上からだけど、覚悟してね」
「そう、脅かすな、ルーシー。よく子供の様子をみて、自分の身内だと思えばいい」


 とまあ、オビ=ワンの研修は初日から訳もわからないうちに、引きずり込まれて始まった。もっとも、慣れるまでは掃除や荷物運びなど、猫の手のような手伝いから。童顔が幸いしてか、物怖じしない子供達はすぐオビ=ワンに近づいてきて、名前を呼ぶようになった。
「オービ=ワーン、ジン先生がよーんでるー」

 園長室へ行くと、先ほどの母親とクワイ=ガンが話している。
「ブライスさんが帰られる。今、タクシーを呼んだ。ジェムは夕方お父さんが迎えに来られるそうだ」
「おかげさまでだいぶ良くなりました。オビ=ワン・ケノービ先生にも本当にお世話になりました」
「あの、僕は先生じゃなくて学園の新人研修中ですが、えと、無理しないでよく休んでください」
「あら」
黒髪の小柄なブライス夫人は可笑しそうににっこりした、だいぶ顔色も良くなっている。
「ありがとうございます。ジン先生にも同じこと言われたので、そうします」
「オビ=ワン、車が来たようだ。赤ちゃんを車まで連れていってくれ」
夫人はクワイ=ガンや世話になった人々に丁寧に例を言い外に出た。オビ=ワンも赤ん坊の籠を抱えて一緒に歩き出した。

 外で遊んでいたジェムが母親の姿を見て走り寄って来た。
「良くなったからママとウォルターは家へ帰るの、後でパパが迎えに来てくれるわ、ジェム」母親はジェムにキスして優しく髪をなでた。
「たくさん遊んできて」
「うん、泥団子トーナメントで勝ったら、最後にクワイ=ガンと対決できるんだ」
「ジン先生でしょ」
「だってみんなそういう。ジン先生ってママたちや先生だけだよ」
「そうね」
「じゃね、ママ」
ジェムは手を振るとくるりと身を翻して戻っていった。

「――入園した始めは泣きべそかいてたのに、いまじゃ毎日保育園が楽しみ」
「良かったですね」
「ええ、本当に。研修はいつまでですか?」
「2週間の予定です」
「短い間ですけどジェムをよろしくお願いします、ケノビ先生」
「こちらこそ、オビ=ワンって呼んでください」
「ヨーダ理事長は3歳までの育て方が最も大事っておっしゃってるから、保育園には特に注意を払っておられるでしょう」
「そうみたいですね」
「だからわざわざクワイ=ガンに任せてるんですって」
「体力ありそうですし――」
「それだけじゃないわ。先輩のお母さん方から聞いたんだけど、強盗を素手で捕まえたそうよ」
「え?」
「何でも外国でスペシャルエージェントしていたとか、それってスパイでしょ」
「……ドラマの見すぎじゃないですか?」
「そうね、ついしゃべり過ぎたみたい」
夫人は明るく笑ってオビ=ワンに礼を言い、赤ん坊を受け取ってタクシーに乗り込んでいった。


 その後も給食の支度やら、お昼寝の準備やら、オビ=ワンは忙しく駆け回った。 
クワイ=ガンが子供を抱っこしていたのは朝だけで、その後は園長代理らしく部屋で事務をしている姿を見かけた.。

 けれど、給食の時や外で大勢が遊んでいる時など、あの大きい身体が近づいてくれば絶対わかるはずと思うが、気付くと、いつの間にか傍らに立って静かに見守っているのだった。足音も気配も気取られず、いつからそこにいたかとオビ=ワンは驚いた。が、一旦気付かれると、子供達はすぐクワイ=ガンを取り囲んだ。よじのぼったり、抱っこや、ぶら下がるのが大好きなのだ。

 夕暮れ、オビ=ワンが研修の日報を書いているとクワイ=ガンが入ってきた。
「ごくろう、オビ=ワン。5時だから君は帰る時間だ。早番の保育士もさっき帰っていった」
「主任のルーシーには話したんですが、今日は初日ですから、最後までいさせてください。一日の流れを知りたいんです」
「かまわんよ。今日は朝早くから慣れない仕事で疲れたからさっさと帰りたがると思ったが」
「スポーツしていたから、身体動かすのが性に合ってるんです。それにあなただって僕より前から来てたじゃないですか?」
「ルーシーから遅れると連絡があったからな、いつもじゃない。帰りは用がなければ延長保育の7時か、最後の子供が帰るまでいる。大事な子供を預かってるんだ。家族に渡すまで見届けたい」
「立派な心掛けですが、本部の決めた労働条件も考えていただかなくては。確か朝は7時半のはず――」
「親からの希望が多くて7時にした。本部に申請中で間もなく増員も含めて許可が出る。もちろん、保育士の勤務はシフト制だから負担が増える事は無い」
「――わかりました、余計な事を言ってすみません。でも、あなたのご家族に負担が掛かっていませんか?」
「一人身だから大丈夫だ。心配はありがたいが」
「そうですか」
「――ところで失礼してシャワーを浴びていいか?庭仕事で土ほこりだらけなんだ」
「どうぞ」

 日報に視線を戻したオビ=ワンの前をクワイ=ガンは大股で通り過ぎ、園長室の隣りのトイレ兼シャワーの前で振り返った。
「君に頼みがあるんだが」
「何でしょう?」
「すまんが、このエプロンを給食室の隣りの洗濯機に入れて回してくれないか?すぐ干せば明日まで乾く。君のエプロンもついでに洗ったらどうだ?」
「そうですね。預かります」

 オビ=ワンが立って近づくと、クワイ=ガンは着ていたエプロンをはずした。紺色の生地にくまのアップリケに付いたそれは、割烹着の袖を取ったみたいなデザインというか、前がU字形に深く括られ、肩で前と後ろを縫い合わせ身体をぐるりと覆って、後ろでボタン止めしてある。

 オビ=ワンの借りたものと同じデザインだが、サイズと色が違う。でもクワイ=ガンのサイズがよく市販であったもんだ。
「知り合いが縫ってくれたんだ」
脱いだエプロンを渡したクワイ=ガンは、オビ=ワンの疑問を読み取ったように目元に皺を刻んで笑い、くん、と下に来ていたポロシャツの匂いをかいだ。
「汗臭いな。これも頼む」
言うと同時に目の前でバッとポロシャツとその下のアンダーシャツを脱ぎ捨てる。
「女性の前だとセクハラになるが、君ならかまわないだろ?」
「はあ」 

 オビ=ワンは、背を向けてシャワー室に向かうクワイ=ガンの裸の背中を見て目を見張った。定かな年齢はわからないクワイ=ガンの肉体は、決してマッチョでないがよく引き締まり、鍛え上げた固い筋肉がついていた。そして、その左脇から背骨にかけて斜めに傷痕が走っていた。右の肩甲骨の下にも、丸い何か刺さったような傷痕。が見て取ったのは一瞬で、ドアはすぐ閉じられた。

――強盗を素手で捕まえたって!?、スペシャルエージェントだったって!?―
さっき聞いた信じられない話が頭を過ぎる。

「オビ=ワーン」
水音に混じって声が聞こえた。
「は、はいっ!」
「せっかく最後までいてくれるんだから帰りに飯でもどうだー?」
「あの――」
「君の都合が良ければだ」
「予定はないです」
「よーしっ、何が食べたいか考えておけ」
「ごちそうになりますっ!!」
オビ=ワン大声で応えると、シャワー室でクワイ=ガンが愉快そうに笑うのが聞こえた。


 クワイ=ガンは今まで逢った事のないタイプだ。オビ=ワンは、正体不明のこの人をもっと知りたいと思い始めていた。



End

 
そのうち、クワイ=ガンがオルガン弾いて、オビが歌って皆でお遊戯、という事もありそう(笑)

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