The Bond ※AU(クワイ=ガン生存&オビはナイト昇進)

 オビ=ワンは扉を開け、静かに室内に入った。閉ざされたブラインドごしの朝の光が室内を控えめに満たしている。久しぶりに入った元師の私室に視線を走らせ、口許に僅かな笑みを浮かべた。

 自分がクワイ=ガンの元を離れ、ナイトとしてひとり立ちしておよそ5年。めったにクワイ=ガンの私室を目にする機会無くなったが、元々インテリアだの模様替えだのに関心のない部屋の内部はほとんど変っていない。

 いくぶん、いやさらに、どこぞの惑星から持ち帰ったと思しき小物や、資料やディスクやメモリーが増え、いくぶん、いやだいぶ整理や掃除が行き届いていないように見える意外は。もっともオビ=ワンが弟子でいた当事は師の部屋も片付けるよう心がけていたが、現在の弟子・アナキンは、師に輪をかけて自分の部屋を機会や道具で溢れかえさせているのだから。

 広い部屋の奥に大きなベッドが備えてあり、クワイ=ガンが寝ていることは姿を見るまでもなく、フォースでわかる。ベッドに近寄ると微かな芳香が鼻をくすぐった。ベッドのサイドテーブルに秘蔵の一本に違いないブランデーとクリスタルのグラス。底に浅く残った琥珀色の液体から香りがしていた。

 オビ=ワンは小首をかしげ思案する。酒量は多分、グラスに1、2杯の寝酒だろう。このブランデーを持ち出すとは、夕べ眠りに入る際の気分は良かったのか悪かったのか。自分が同じ住まいにいたときは容易に察しられたが、離れた今ではわからない。

 クワイ=ガンは上を向いて寝ていた。長年見慣れ、数え切れないくらい触れたその顔。秀でた額、高い鼻梁、強い意志を表す引き結んだ唇、そして顔を縁取る豊かな長い顔はやや白いものが増え、閉じた瞼の脇の皺が前より深くなったかもしれない。オビ=ワンはベッドの手前で立ち止まった。

 他人が部屋に入ってきたのにクワイ=ガンが目覚めないのは不思議だった。オビ=ワンだからフォースで住まいの入り口も、クワイ=ガンの私室さえ入る込めるのであり、アナキンでさえ、おそらくマスターの私室には許可なく入れないだろう。それならクワイ=ガンはとうに今ここに嘗ての弟子が立っていることを解っているはずだ。だが、規則正しい寝息をしているクワイ=ガンはやはり眠っているように見える。オビ=ワンはもう一度小首をかしげた。――狸寝入りかな?――


 オビ=ワンはベッドに寄り、少しかがみこんでそっと手を伸ばした。額に流れる髪にごく軽く触れながら指先で梳く。
『マスター?』
クワイ=ガンの伏せた瞼が小さく痙攣し、オビ=ワンの良く知る深い青い瞳が開けられた。
困惑の色もなくオビ=ワンを見る視線に、オビ=ワンはやはりクワイ=ガンは寝たふりをしていた確信を深めた。
「ああ、お前が来たことはわかったが、わざと寝たふりをしていたわけではない」
オビ=ワンはちょっと眉を上げた。
「――任務中ならともかく、テンプルでもそんな寝方をなさってるんですか?」
「歳のせいで眠りが浅くなったが、身体は必要なだけ休めるようにしている」
「最近ですか?」

 相変わらず枕に頭をつけたままのクワイ=ガンは片手を頭の後ろにあてがってオビ=ワンを見上げている。その口許が僅かに歪められた。
「夕べお前がこなかったから、今日あたりは来るかと思ったが、都合も聞かずに直接ここまで乗り込んでくるとはな」
オビ=ワンの青い瞳は見開かれ、次いで、頭を垂れた。
「すみません、マスター・ジン」

 謝罪を口にする元弟子を見やって、額に落ちる髪をかきあげながらクワイ=ガンは身体を起こし、目の前のすまなそうな表情で畏まっている元の弟子を見た。

 30に手が届こうとするオビ=ワンだが変らぬ童顔のせいか、年齢より若く見られることがほとんどだ。ナイトになってから伸ばした金褐色の髪はうなじ程の丈、ゆるくウェーブがかった短い前髪がときおり額に落ちかかる。変らぬ大きな青緑色の瞳が光線や気分で微妙に移り変わるのは弟子だった頃と変らないが、引き締まった表情が一人前の大人の自覚と自信をうかがわせる。

「働き盛りの若いナイトだ。パダワンもいない気楽な一人身だし、さぞ公私ともども忙しいのだろう」
「マスターっ!」
「シャワーをあびてくる。お茶を入れてくれるか?」
「朝食はどうされます?よければ作りますが、実は私もまだなんです」
「お前の好きにしてくれ」
クワイ=ガンは大またで部屋を出て行った。


 オビ=ワンが整えたテーブルに現れたクワイ=ガンは髭をあたり、湿ってはいたが長い髪も結い終え、セーバーこそ身につけていないが、身支度を調えていた。

 香り高い茶を一口飲んで満足そうに息をついたクワイ=ガンの前に、オビ=ワンがトレーを運んできた。
「あるものを勝手に使わせていただきました。プレーンオムレツと温野菜、オレンジのフレッシュジュースにクリームチーズ。パンは冷凍してあったものを暖めました」
「アナキンが羨みそうだな」
「彼らだってサバイバル訓練じゃないんですから、ちゃんとした食事をとってるはずです」
「だが、手作りの暖かい食事ではないだろう」
「それは仕方ありません」
クワイ=ガンが形良く焼きあがったオムレツにナイフを入れると、とろりと半熟の中身が流れ出した。
「うまい」
オビ=ワンは嬉しそうににっこりした。

 食事を終え、リビングのテーブルに移ると、片付けを終えたオビ=ワンがカップを運んできた。
「口の中がすっきりするチャイニーズティーです」
「いただこう」
オビ=ワンもクワイ=ガンの隣の椅子に腰を降ろした。
「今晩、あなたの都合がよければ食事を作りますが、何がご希望があれば――」
「オビ=ワン」
クワイ=ガンは元弟子の話を遮った。
「お前の得意の料理で私を機嫌よくさせてくれるのは嬉しいが、もう本題に入ってもいいだろう」
「クワイ=ガン?」
「朝からここに来たのは、話があるからだろう」
オビ=ワンは溜息をついた。
「お見通しですね」
クワイ=ガンは黙って茶を一口飲んだ。

「私が5日前にテンプルに戻っていたことはご存知ですね?」
クワイ=ガンは無言で肯いた。
「任務報告を終えたら、次の日にはあなたに逢うつもりでした。けれどカウンシルからマスターがアナキンを特別パイロット訓練に参加させないと聞きました」
「当初、訓練の内容を聞いてあれには必要ないと判断した」
「そうでしょうね。けれどアナキンはパダワンになって依頼一度も団体の飛行訓練を受けていない。カウンシルもそれを懸念していました」
「時期を見て受けさせるつもりでいた」
「あなたのいう時期とはトライアルを見越しての頃ですか?けれどそれではチームを率いる指導力をつける機会を逃してしまいます」
「だからといって、そもそもアナキンがおとなしく同じ年頃のパダワン達と一緒に訓練を受けると思うか。1時間ともたないぞ」
「もっともです。ですから私はあなたを説得して欲しいという依頼は断りました」
「私の説得よりカウンシルに逆らうとは、お前もいくらか訳がわかっているようだな」
「任務ではいかに無駄を省くか考えますから」
クワイ=ガンの硬い口調にオビ=ワンもちょっぴり皮肉っぽく返す。
「知り合いに相談して、訓練内容の見直しと新たな個人別カリキュラム内容を作るのに1日かかりました。それをカウンシルに提案して承認させるまでに1日」
「その後、ご丁寧にもプロ・クーンが新カリキュラムでもって打診してきた。アナキンはプロが個人教授してやるといったら喜んで承知したぞ」
「最終訓練ですよ。その前にマスター・ラーラにみっちりしごかれると思います」
オビ=ワンは微笑んだ。

「うまく事を運んだなナイト・ケノービ」
「あなたに教えられましたからと言いたいところですが、ご不興を買ったようですね」
「その後も忙しかったようだな」
「――アナキン達が訓練に出発した日、あなたに逢うつもりでいたんですが」
「フォースが導いた運命の出会いか、それとも前から決めていのか?」
「え?」
「お前の初めての弟子の話を人の口から聞くとは思わなかったが。まあ、お前もいつ弟子をとってもおかしくない立派なナイトだからな」
「マスター……」
「それとも5年前突然アナキンを弟子にしてお前を卒業させた私には相談するまでもないと思ったのか」
「何を言い出すんですか!いつ私がそれを根に持ってると言いました?」
「口にしたことはないが、すぐには納得できなかったはずだ」
「それは――、今その事を持ち出すなんて、あなたが未だに後ろめたいなんて以外ですね。それならさっさと私に一言いってくれたらよかったんです」
「私がナブ―で重傷を負ったので、しばらくはお前がアナキンの面倒見る間にあれはすっかりお前になついたし、私が治った後はお前は任務が忙しくて逢う機会も少なかった」
「ひとり立ちしたらそうなることはわかっていたはずです」
「そうだな」
「あなたらしくもない、マスター・クワイ=ガン。私はあなたの弟子にしていただいて一人前に成れたことを誇りに思っています」
「――年寄りの繰り言だ、忘れてくれ。お前はもう私に相談するどころか、私と弟子を心配してくれるほどだ。相談などせずとも立派に判断できる」
「いったい、何の事をおっしゃっているんですか、マスター?」
オビ=ワンの眉がいかにも怪訝そうに寄せられている。
「オビ=ワン、私は何人かのマスターから聞いたのだ」
「だから何をですか?」
「お前がパダワンを決めたことだ」
「……誰から?それにパダワンの名前を聞いたんですか?」
「いや、だが惑星ケーガンのヒューマノイドだそうだな。あそこは赤ん坊のころからはっきりフォースセンシティブとわかる子供がときたま現れる」
「私が今日までここに来られなかったのはいろいろあるんですが、まさかそんな噂になっていたとは――」
「オビ=ワン、何かパダワンを公に出来ない事でも起きているのか?」
「いいえ、マスター。私のパダワンは、そうですね。結局パダワンにし損ねたらしい、と言えばいいんでしょうか」
「し損ねたらしいだと?」
「ええ、ですから私はいまだ身軽で気楽な一人身です」
「どういうことだ?」
「折をみて話すつもりでしたが――」

 ふいに通信機の呼び出し音が響き、オビ=ワンはそれを取り上げた。
「イエス、オビ=ワン。え、ジョシュが?」
オビ=ワンは相手の話を肯きながら聞いていたが、眉を寄せた。
「ええ、連絡をとってみましょう。では」
通信を終え、オビ=ワンはすまなそうにクワイ=ガンを振り向いた。
「申し訳ありません、用事が出来ました。すんだら連絡します」
急用が発生したらしいオビ=ワンの様子に、クワイ=ガンは黙って肯くしかなかった。


 オビ=ワンが出て行った後、クワイ=ガンが瞑想していると通信機が鳴った。
「アディよ、クワイ=ガンもし可能なら、カウンシルまで来てくれないかしら?」
「何かあったのか?」
「いいえ、トラブルではないわ。新しいマスターとパダワンの承認について、あなたの話を聞きたいの」
「それはカウンシルが判断することではないのか?」
「このケースについてあなたの話を参考にしたいの」



 クワイ=ガンがカウンシルへおもむくと、数人のカウンシルメンバーが集まっていた。
アディ・ガリアがにこやかに迎える。
「ありがとう、クワイ=ガン。こちらの椅子へ」
「特別パイロット訓練は予定通りだそうだ。お前の弟子も含めて」
メイスの言葉にクワイ=ガンが鷹揚に肯く。
「話をすすめてくれ、メイス」
「ナイト、ヨハン・ネートを知っているか?」
「若いナイトだな。オビ=ワンと共同任務をしたことがある」
「オビ=ワンの1年後にナイトになった同年代のヒューマノイドだ。彼が弟子を持ちたいと申請してきた」
「ヨハンは真面目で熱心なナイトよ。只、弟子をもつにはより経験を積んで欲しいと思ったのだけど」
「オビ=ワンならすぐにでも弟子を持って欲しいところだが」
クワイ=ガンは肩をすくめた。
「あれはもう一人前だ、自分で決めるだろう。メイス、オビ=ワンに弟子をとれとすすめろという言う話なら――」
「すまん。本題はヨハンのことだ」
「オビ=ワンはヨハンがカウンシルに認められるよう手助けしているわ。目立たないようにだけどね」
「共同任務も入れてだが、ヨハンも実績を上げた。今回の単独任務を無事達成したら許可することにしたのだ」
「ほう、どうなった?」
「達成し終了した。今コルサントに帰還途中だ」
「結構なことだ」
「ヨハンが急いだのは弟子にしたい子供がまもなく13歳になるからで、我々も充分に考慮したうえ許可したいと思っている」
「――そういう訳か。子供の名は?」
「惑星ケーガン出身のヒューマノイドでV−ジョシュ、男だ」
「惑星ケーガンはよく知っているわね、クワイ=ガン」
「ああ」
「変ったケースなのだが、ヨハンはジョシュと前からフォースの繋がりを感じるというのだ。それでどうしても弟子にしたいと言う」
「クワイ=ガン、あなたとオビ=ワンは師弟になる前からフォースの繋がりを感じていたと聞いているわ。ヨハンとジョシュがそうなら、若くても私達はフォースの下に認めるつもり、あなた方の前例がはっきりすればね」
「さて、参考になるかどうかわからん前例だが、おまけに卒業も前例なし、次の弟子も前例なし、ことごとくコルサントが許可しなかった――」
「クワイ=ガン!とにかく、今はお前とオビ=ワンが師弟になる前から絆があったか問うているんだ」
「そうだな、互いに感じていた。危機の時、オビ=ワンは私を呼び、離れていた私もそれを感じ取った。――私は誰も弟子にするつもりはなかったが、オビ=ワンから目を離さずにいた」
「わかった」
「あなたの決心を覆すほどのフォースの繋がりがあったのね」
「ヨーダに言わせればそういうことだ」
「結構だ」
メイスは通信機を取り上げた。
「さてオビ=ワン、OKだ。速やかに出発してくれ。フォースと共にあれ。」
「オビ=ワン?」
「今発着ポートにいるわ。ヨハンに朗報を伝えて、ついでに連れ帰ってくることになっているの」
「何処だって?」
「ヨハンは首尾よく任務を終えたのはいいんだが、宇宙船のトラブルで今コルサントの軌道上で足止めされてる。自力で修理していたがジョシュが察したらしい。話を聞いたオビ=ワンが知らせてきて、判明した」
「そういう訳か」
「新たな師弟の誕生だわ。しばらくは皆で見守ることになりそうね」
アディがやさしく微笑んだ。

 退出しようとしたクワイ=ガンがふと有ることに思い当たり、アディを振り向いた。
「オビ=ワンが弟子を決めたという噂は、ひょっとしたらヨハンが駄目だったら自分がジュシュを引き受けるつもりだったということか?」
「あなたあの噂を聞いたのね。オビ=ワンのことは、あなたがよくわかっているでしょう、クワイ=ガン」
「師弟の時はともかく、今はそうとも言えん」
気弱にも聞こえるクワイ=ガンの言葉に、メイスが長年の友人の目を見ながら断言した。
「オビ=ワンは決してあきらめんぞ、カウンシルに逆らってもな。なんと言ってもお前の元弟子だ」



 オビ=ワンから連絡が入ったのは、夜になってからだった。
「間もなく、テンプルに戻ります」
「ご苦労だったな」
「後で話をしに伺っていいでしょうか、クワイ=ガン」
「ああ、食事はどうする?」
「――実は腹ペコの友人に誘われてOKしたんですが、遅くはなりません」
「わかった、急がなくていいぞ」
「すみません、何か作るつもりだったんですが、今度埋め合わせ――」
「オビ=ワン」
「はい?」
「ここにくる時は何もいらないが、歯ブラシを持ってこい」
一瞬、オビ=ワンが息を呑むのが聞こえ、言葉が途切れる。
ややあって、小さな声がした。
「イエス、マスター……」



End

【おまけ】 
            ギャグです。別物と思っていただいたほうがいいかも……
               ↓




























【 後にクワイ=ガンの住まいを訪れたオビ=ワン 】

O:遅くなってすみません、クワイ=ガン。
Q:ご苦労だったな、ヨハンとジョシュのことはカウンシルから聞いた。
O:事前に話したかったんですが、申し訳ありません。
Q:いや、私こそ噂に振り回されてすまなかった。
O:マスター……
(しばし、言葉のいらない時間)

―いつの間にか桑井の寝室へ移動―

(服を脱ぎながら、会話再開)

Q:この紐のついた布袋は何だ? ローブと同じ色だな。
O:ああ、歯ブラシを持ってこいと言われたので。
Q:……本気にしたのか
O:ちょっとした外出用に作ってみたんです。ローブの裏に止められるし、取り外し自由だから重宝してます。
Q:何を持ち歩いているんだ。
O:えーと今日は歯ブラシと下着の替え、洗顔ソープと化粧水兼美容液。ブラシとシェーバー。すべてコンパクトな旅行仕様です。
Q:お前、いつからそんなものを?
O:ご存知なかったんですか?数年前から新任のナイト研修で任務荷物の効率的な準備という項目があったんですよ。
Q: いや、聞いていない。
O:ジェダイは上流の方々とか、交渉事で人と会うから身嗜みや肌の手入れも必須だと。その時の特別講師は――。
Q:その先は言わなくてもいい。前からこれを持ち歩いてたか?
O:え、だって、ナイトになってからはいつもマスターが来てたから――
Q:そうだな。こっちにはアナキンがいるし、私がお前の部屋へ泊まりにいってたんだっけ。私は何も持っていかないが。
O:うちにはあなた用の物が一式揃ってますから。歯ブラシ、着替え、バスローブ、スリッパ。シャンプー&コンディショナー。シニア用スキンケアセット、それから――。
Q: ……もういい。つまり、いつ行っても大丈夫ということだ。
O:だけど、どうしても準備できない物があるんです。それは流石に無理でしょうね。
Q:何だ?
O:……特大サイズのベッド……。



 おしまい

  当初はおまけなしで、後書に「――この後は、皆様の妄想で補ってくださいませ〜」と書き逃げしようとしたんですが、歯ブラシ一本持ったナイト・オビ――これってギャグ!?と思ったら、つい、バカップルの本領発揮、お泊りセットを持ったオビ(笑) 元師弟、になっても相変わらずの二人でした。
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